新オリンピックエンブレムを選ぶ基準にしてほしい3つのこと

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tokyo2020.jp

世間を賑わせたオリンピックのエンブレム問題。

新しいエンブレムの最終候補が発表されました。

今回は、一般公募でエンブレムが募集され、決定にもwebやハガキからの意見が反映されるようです。せっかくなので、国民の一票を投票してみたいですよね。

エンブレムを選ぶ基準にしてほしい3つのこと

そうはいっても、大事なオリンピックのエンブレム。好みで選んでいいものなの?と思う方も多いのでは。

私も普段ロゴマークを作る仕事をしているだけに、制作者側の苦しみも痛いほどわかります。なので、今回は選ぶ際にちょっとだけ意識してもらいたいこと3つをお伝えしますね。

 

1.ビジョンとキーワードを見てみよう

何かマークを作るときはもちろん「0→1」の作業です。

そもそもデザイナーはどういったところからマークを作るかというと、クライアントの要望です。私はこういう意図でマークを作ってほしいんです!という要望。今回でいうとオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発行している応募要項がこれにあたります。応募要項から一部を抜粋しますね。

キーワード

「スポーツの力」「日本らしさ・東京らしさ」「世界の平和」「自己ベスト・一生懸命」「一体感・インクルージョン」「革新性と未来志向」「復興・立ち上がる力」

東京2020大会ビジョン

スポーツには、世界と未来を変える力がある。1964年の東京大会は日本を大きく変えた。2020年の東京大会は、「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、「そして、未来につなげよう(未来への継承)」、を3つの基本コンセプトとし、史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらす大会とする。

 ほうほう、こんなことを2020年の大会でビジョンとして掲げてやっていくんだなーそして、「日本らしさ」や「復興」なんかもこれを機に世界へアピールしていきたいんだなーということがわかったのではないでしょうか。

エンブレムに限らず、オリンピックにあわせてつくられるパンフレットやWEBサイトやサインなどもすべてこのビジョンが一番の根幹になってくるはずです。

 

2.制作者のコンセプトを読んでみよう

最終候補作品に関する意見募集|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

今回、4つのエンブレムが最終選考として発表されましたね。

パッと見た目で選ぶのではなく、制作者の意図もきちんとその下に書いてあるので目を通してみましょう。もちろん、さきほどの「ビジョンとキーワード」を頭にいれて読むと、さらに楽しめますよ。

A案は「日本」を意識したもの、B案は円になっていることから「世界平和・躍動感・一体感」かな、C案は「日本・世界平和」が強そうですね、D案は「自己ベスト」

それぞれ、キーワードを全部入れ込むのではなく、いくつかに絞ってより伝わるように作られているなあという印象を受けました。まったく同じお題で出されているのにこんなにも表現の幅が違うのもデザイナーとしてはおもしろいなあ!と感じます。

 

3.あとはフィーリング

さて。一応、理論的なこと?をお話ししましたが、私がロゴをいくつか作って、2案に絞るときにやることは、フィーリングです(笑)もちろん、先の2つをクリアしてることは大前提。

実際に自分がこのエンブレムが東京駅や新聞やいたるところの広告媒体に載っていることを想像してみて、より「テンションが上がる」「ワクワクする」ものを選ぶのがいいと思います。だって何十年に一度のこの機会なんですもの。日本人全員がワクワクして、お祭り騒ぎくらいになっていれば日本の景気もよくなるし大成功間違いなしだと思うんですよね。

そしてこのエンブレムを今生きている現代の日本人が感覚で選ぶ、ということもとても大事だと思っています。海外の著名なアーティストや日本の有名なデザイナーではなく、国民にもその一票を投じる権利があるということ。日本全体が盛り上がるきっかけになりますよね。

 

一人のデザイナーとして思う「一般公募」について

個人的にはエンブレムが「一般公募」されることに対して、始めはとても残念な気持ちでした。プロとして仕事をしてきて、いわゆる「専門性」が必要とされる職種であることに誇りを持っていたからです。だから、こんなに大事な仕事は日本のトップのデザイナーに作ってほしいと思っていました。

でも、今回の流れを受けて、実際に選考に残ったエンブレムと、投票できる制度を見て、「みんなが考えて」「みんなが選ぶ」ということも大事なのだなと感じました。

 

きっと前回のエンブレム問題ってデザイナー界の偉い人たちだけでデザイナーが勝手に決めてしまった印象が強かったのだと思います。私はよく名前を知っている方たちばかりだったけど、一般の方にとっては「誰だこれは?」状態だったと思います。なんだか知らないけど有名な人たちが勝手に議論して勝手に決めちゃった…今の政治に感じているような国民の意見が、オリンピックにまで及んでいてがっかりしたのではないのでしょうか。

 

だから、今回の「みんなが考えて」「みんなが選ぶ」制度、私は一個人として大いにありだと思いました。みんなが関わることで、どんどん日本に活気が出てきますからね。

なので、ぜひみなさん、一票を投じてみてください!オリンピックを国民全員で盛り上げていきましょう!

 

最終候補作品に関する意見募集|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会